■社員インタビュー 新たなロールモデル、子育てしながらがんばる女性たちを応援したい
■社員インタビュー 新たなロールモデル、子育てしながらがんばる女性たちを応援したい
入社は、女性活躍時代の始まり
「男女雇用機会均等法」施行直後の年

私が入社したのは男女雇用機会均等法が施行された翌年です。法律が施行されて最初の就職活動をしたのが私たちだったのですね。でも女性には一般事務の募集しかなかったのが実情です。

私がこの会社に出会ったのは、希望企業の内定を数社頂戴しながらも決め手を欠き、就職活動を続けていたときでした。入社して3年で寿退社が女の花道、という時代で、当時のモリトは他企業と同様、4年制大卒女子は勤続年数が短いと敬遠しており、2,3名試験的に採ってみよう、という感じでした。でも私は仕事をして経済的に自立した生き方をしたいと考えていましたので、面接時、当時の人事部長に聞いてみたんです。「もし、寿退社ができなかった場合、私はこの会社にいられるんでしょうか?」と。そうしたら、「したいようにすればいいんですよ。今はまだそういう例はありませんが、あなたがつくればいいじゃないですか。」と返ってきました。

4年制大卒女子の採用と活用が会社にとって未知数だったと思いますが、これから上場を目指そうとしている勢いのある会社であること、温かで親しみやすい雰囲気なども魅力に感じ、モリトへ入社したいと切望し、モリトも私を迎えてくれました。

“初の女性執行役員”、その存在意義は大きい

はじめは一般事務職としての入社でしたが、もともと「仕事をしたい」という気持ちが人一倍あり、周りにもそれを伝えていました。もちろん、有言実行、働くことを厭いませんでした。そして、当時男性総合職がしていた仕事もしたい!できるはず!と、総合職への職掌変更制度を作り、自分で応募しました。その後、管理職試験に合格。人事課長、人事部長を経て、現在は執行役員人事部長に。人一倍勉強も努力もしてきたという自負はありますが、今のポジションはそれよりも時代の産物かな、と思います。

「当社初・女性執行役員」そのような大役を引き受けてしまっていいのか…と自問自答もしました。ですが、会社にとっても、女性役員を出すというのは大変なチャレンジ。誰が、ということではなく、女性の執行役員が会社に存在すること自体に意味がある、そう考えるようになりました。このポジションに見合う仕事をすればいい。そうすることが、次世代の女性たちの道をつくることにもなるのではないかと思っています。

私がいなくていいシステムをつくりたい

現在は、HRM(人材マネジメント)の責任者として仕事に取り組んでいます。HRMは、大きく分けると採用、人材育成、労務、配置・キャリア、評価、処遇の6つ。HRMポリシーも作りこみ、経営方針と併せ各国子会社に向け、英訳し、共有しています。歴代の人事部長が大切にしてきた価値観を引継ぎながら、これからの当社の方向性にふさわしい項目を追加し、社員全員にわかるよう可視化しました。

目に見えるようにしてわかりやすく、という点ではもう一つ実施中のものがあります。誰が人事部長になっても機能する仕組みをつくりたいです。
30年当社で人事を担当しておりますので、様々な種類の社員情報が体系化され、脳内に整理されています。人事上の課題に対する判断を行う際、時と人と場合により、判断が変わらないように、過去事例・未来予測とを照合しながら、脳内にある社員情報などを勘案の上、慎重に判断します。既に人事データは人事部のサーバーにデータとして保管されており、引き出すことができますので、人事部長として様々な判断を行う場合、「どの情報をどう使うか」という所までシステム化されていれば、誰が人事部長に就いても、人事部長としての考え方・判断の仕方などを、ある程度人財管理システムにより導出することができるので、全く異質な職歴の人財を人事部長に就けることも可能で、且つ社員にとっても非常に有効であると思います。時の人事部長によって判断が違うということは社員にとって不幸なことだと思いますので。

全てをシステム化できるわけではないですが、明らかに判断のスピードは上がります。その体制が整えば、私の存在価値はなくなりますが(笑)。
どのポジションでも同じことが言えます。会社は「この人しかできない」というものを作ってはいけません。当人はそれで満悦かもしれませんが、経営の体制としては非常に脆弱です。

休日は、ただの「妻」と「娘」になる

ただの「妻」とただの「娘」に変身します。家では、好きなジャズを聴いたり、読書したり、料理などの家事をして過ごします。選ぶ本は、どうしてもビジネス関係のものが多いです。推理小説や以前読んだ文学書など本当に読みたい本は先の楽しみとして、取って置いてあります。どっぷりモリトに染まると、一般社会の尺度がわからなくなりますので、休日はなるべく、仕事では出会えない人に会う、仕事ではできないことをあえて体験するようにしています。

「母もする人」がこれからのロールモデルに

母と妻と企業人の三足のわらじを履いている女性たちは何と大変なのだろうと思います。メンバーの中には育児中のママ社員が2人いて、よく話を聞きます。とても大変そうですが、傑作な話も多いです。彼女達は子供を通じ多くのことを学んでいます。これはすごい、と思います。

当社は、育児休暇制度が早くから機能し、高い復職率、低い離職率という成果を出しており、大阪府の「男女いきいき・元気宣言」事業者にも登録されています。女性が仕事を続ける環境には恵まれている方かもしれません。とはいえまだまだ、子育てをしながらキャリアを継続することは簡単ではありません。私は不器用ですので、仕事をする為に子どものいない人生を積極的に選びましたが、「母」になりたいと思う女性が、「キャリア」をあきらめなくてもいい会社にしなくては、と思っています。その中で私のあとに続く女性が現れる、そしてその女性たちこそがロールモデルになってほしいと思っています。

「じりつ」(自立・自律)した社員が多い会社に

人の2倍、3倍も努力し、知見を高め、仕事をした人がそれに見合うステータスやポジションを得られる、その仕組みはそれで良いと思っています。ただ、それが幸せかどうかは人によって違います。ワークライフバランスの在り方は、自分で考え、自分で選ぶべきもの。どのようなキャリアを形成したいのか、どのような働き方をしたいのか、どのような生活をしたいのかを考え、まず自分で選ぶことが大切です。そして、その選択肢は多い方がいい。私は、モリトをできるだけ多くの選択肢が提示できる会社にしたいと思っています。

ダイバーシティとは多様な人材を積極的に活用しようという考え方のことですが、働く人の会社に対する貢献度が高くなければ、うまくいかないと思います。短時間しか働けなくても成果が挙がるように努力する人は、会社側も環境を整えて応援したくなる。そうすると、働き方の選択肢も広がります。

自分自身の価値、貢献度を高められる、「じりつ」(自立・自律)した社員が多い会社にしたいんです。当社に限らず、どこに所属していても貢献できる、活躍できる人材を輩出する風土や体制、そういうものをつくることが今の私の夢であり、取り組んでいかなければならない仕事だと思います。