トップ > マジックテープ®について > 面ファスナーの歴史
それは、1948年のスイスでの出来事です。
愛犬を連れて山奥の狩猟に出かけていたジョルジュ・デ・メストラル氏は、自分の服や犬の毛に沢山の野生ゴボウの実がくっついているのに気づきました。不思議に思った彼は、その実を持ち帰り、さっそく顕微鏡で覗いてみました。すると、その実は無数の鉤でできていて、その鉤が衣服や犬の毛にしっかりと絡みついていたのです。
これにヒントを得た彼はこの構造を応用して着脱が自由自在の魔法のファスナーを発明しようとしたのです。そして何年かの試行錯誤の末、特殊ナイロン糸を使用して、無数の鉤と輪で構成された面ファスナーをつくりだしたのです。これが面ファスナーの誕生でした。
日本では1960年、2本の布がピタリとくっつき、着脱が自在な『魔法のテープ』という意味の
「マジックテープ」という商品名で、クラレが最初に生産・販売を開始しました。マジックテープ®の名が全国に広がったのは、1964年に華々しくデビューした東海道新幹線の客席のヘッドレストカバーのファスナー(留め具)に採用され、一躍注目を浴びたのがきっかけでした。
今や、面ファスナーの代名詞でもあるマジックテープ®は、クラレの面ファスナーの登録商標なのです。